AGEsとは、Advanced Glycation End Productsの略語であり、下記に示す蛋白糖化反応における後期反応生成物の総称です。
AGEs構造は、現在までにin vitroで生成するものを含め数十種類特定されており、図1にAGEs構造体の一部を示します。
AGEsは、さまざまな疾患との関わりが示唆されています。
初期反応生成物であるヘモグロビンA1cは、血糖コントロールの指標として糖尿病の検査に不可欠です。これに伴い後期反応生成物のAGEsについても、糖尿病血管合併症、動脈硬化、神経変性疾患、加齢関連疾患などとの関連が報告されています。
当社は、AGEsの一つであるペントシジンが、腎疾患診断の補助に有用であることを証明し、ELISA法で測定するキットを先駆けて開発しました。このキットを用いて受託測定を行っています。
また、ペントシジン以外にもカルボキシメチルリジン(CML)、3-デオキシグルコソン(3-DG)といったAGEsの受託測定を行っています。
当社は、AGEsの測定項目の拡充のため、AGEsの測定系の開発に取り組んでいます。機器分析や免疫手法を用いて測定方法を開発しています。
尿毒症物質は、腎疾患患者の体内に蓄積することにより、倦怠感や疲労感などの尿毒症症状を引き起こすと考えられる物質です。88種類の尿毒症物質が報告されていますが、インドキシル硫酸は代表的な尿毒症物質の一つです。
インドキシル硫酸の正常な生成および排出機序を下記に示します。
まず、経口摂取した蛋白質の中の必須アミノ酸の一つであるトリプトファンが、大腸内で主に大腸菌によりインドールに変換されます。次いで肝臓において硫酸抱合を受けインドキシル硫酸になり尿中に排出されます。
腎機能の低下に伴い、本来排出されるインドキシル硫酸の尿中排泄が減少します。
血中での濃度が上昇すると尿毒症症状を引き起こします。
当社は、高速液体クロマトグラフィーを用いた分析により、インドキシル硫酸の受託測定を行っています。生体試料以外の透析液などにも実績があり、測定への多様なご要望に対応します。